院長よりひとこと

◆ホームページの終わりにあたっての「僕自身のための広告」

 以上で私のホームページは終わりです。今後更新は致しますがブログなどは(このHPがブログであることをパソコンの師匠のCH先生より知りました)多分出来ないでしょう。Twitterとやらも一回もしていませんし、未だに楽曲のダウンロードもしたことがありません。ネットの便利さは素晴らしいのですが正直言ってその匿名性の世界(すでに陳腐な表現ですが)に入り込む意欲があまりないのです。私のメディア論は高校生の時に読んで衝撃を受けた竹村健一氏の「マクルーハンの世界」から一歩も先に行っていないように思えます。「メディアはマッサージである」との社会学者マクルーハンの有名な命題が、いかにインターネット社会の現代の在り様を見据えたものか、今更ながら驚くばかりです(マクルーハンの世代の方なら上の表題が誰のパクリかわかるはずです、そうです忘れられた作家になりつつの感があるノーマン・メイラーですね)。

 

 小生も何年か前にホームページを作らねばとの脅迫観念から作成を試みたことは有りました。でも立派なホームページをいろいろと拝見して、しばしガクゼンです。こんなことまで明らかにしなければならないのかと少々嫌気が差してしまい、作成を中断してしまいました。医療は一対一の関係の中で成立するものであり不特定多数の方々を対象にするものではありません。情報発信はいくらでも可能ですが。

 

 ブログの更新やtwitterなどをする時間があれば私は患者様との一対一の時間を大切にしたいし、オフの時間であれば仲間との飲み会や寿司屋のカウンターでの対話の方が私には教えられることが多いのです。医療においてホームページは所詮情報発信の道具にしかすぎません。私が毎日の診療で診させていただく患者様の数もこれから一生の間に診させていただく患者様の数もきわめて限られています。毎日の仕事は私の所に受診された患者様の痛みを取ることが最も大切であり、私がこの仕事から離れる時までそのことは変わりません。IPadよりも本を手にとって眺めてから読みたいし(本には読みながらいつも書き込みをするしフセンもつけまないと読んだ気がしません)、気に入った一曲をダウンロードするよりもそのアーティストの思いの詰まったCDを全部聞きたいのです。

 

 そんなネット社会へ少々違和感のあるアナログ人間にホームページの提案をしてくれてしかも作成してくれたのは、妻と彼女のパソコンの師匠であるCh先生です。本当にありがとうございました。